他大学SPH卒業生の生の声

VOICE

医師がMPHを取得する意義

  • 1.消化器内科

    日々の診療で湧いてくる臨床疑問を、科学的に検討する方法を学ぶ機会がなかったため、研究活動は常に不安でした。SPHで研究デザインや医療統計、EBM、政策などの必須知識を学べたことは、その後の診療・研究にある程度の確信を持つ根拠となりました。またそのような知識を必要としている同僚の人に共有出来ることも大変有意義に感じています。
  • 2.総合診療・家庭医療

    日々の臨床で患者さんと向き合う際、様々なエビデンスを個別性に配慮し適切に用いること、臨床の延長として役に立つ調査研究を行うことなど、考え方を学ぶと伴に自身の診療の奥行きを深める土台になっています。
  • 3.循環器内科

    SPHで学んだ知識は、手術のように目に見える形で治す技能とは異なりますが、より良い選択肢を選択できるようになる、あるいは診療の現場で遭遇する不確実性との向き合い方を教えてくれるものであり、手術などの技能に匹敵する重要なものを学んだのだと思っています。
  • 4.綜合内科

    ・MPHコースに入ったきっかけは、臨床研究に関わらざるは得ない場面に遭遇する機会が増え、知識がないことに困っていたから。
    ・卒後10年目で、臨床医としてはある程度落ち着つき、あらためて勉強がしたかった時期でもある。
    ・MPHを卒業して、想定していなかったメリットとしては以下が挙げられる。
    1.学会での研究発表の見方が変わり学会参加が断然面白くなった。
    2.薬の説明の際、データを読むことができる。(MRの説明を鵜呑みにしない、根拠となる研究の正しい解釈を自分なりに判断する。)
    3.社会や医学の分野での自分の置かれた立ち位置を俯瞰的にみるようになり、自分の役割を意識するようになった。
    4.テレビに出演している医療や公衆衛生分野の専門家の意見が、何を根拠にしているのか、どの視点を重要視しているのかを推測することができ、コロナ禍でテレビのコメンテーターのコメントを楽しめた。
    ・あえてデメリットと言えば、友人(ママ友)とのお喋りで「これが効くらしいよ!」みたいな会話があると「いやそれは対照群をおいて検証しないと結論は出ない」みたいなことを言って場をしらけさせて事がある。純粋に楽しめなくなったこと。
  • 5.精神科・行政

    臨床医として働いていると、近視眼的に日々の目の前の患者さんの治療のことだけに目が行きがちになりますが、長年臨床をしていくと、どんなに治療をしても解決できないことが見えてきます。結局のところ、治療だけでは解決できない社会の問題、医療制度の問題などが患者さんの医療や予後、生活に影響を与えているということに気付くのですが、その解決法や、そういった問題に気付きを与えてくれるのがMPHであると思います。医療者としても、個々の患者を治療するだけでなく、社会システムを知り、地域や社会全体を良くするという視点が重要であり、その視点を持って日々の医療を行うことも重要であると考えます。中国の古典でも、上医は国を治し、中医は人を治し、下医は病を治すといいます。MPHは上医の視点も与えてくれる、視野を広げてくれる教育の機会だ思います。
  • 6.総合診療・感染症

    エビデンスの根拠となる臨床研究において、医師の視点は欠かせません。SPHにおいて臨床研究の実施に必要な知識を学ぶことで、卒後も研究に関わって結果を世に出し医学に貢献していけるということは、医師にとって大きな魅力だと思います。
  • 7.総合診療・家庭医療

    臨床医として過ごすうちに、医学生の時には考えもしなかった疑問に次々とぶつかりましたが、忙しい臨床に追われて解消する方法もわからないまま、もやもやとしていました。このようなもやもやを抱える一社会人にとって、大学院で学ぶ時間を確保し、系統的な講義を通じて集中して学びを深められたのは、想像以上に有意義なことでした。
  • 8.小児科・医療コンサルティング

    医師がMPHを取得すると、臨床医学の基本となる疫学的なモノの見方、エビデンスの読み方、発信の仕方、つき合い方が鍛えられるだけでなく、SPHで培ったネットワークで仕事の幅を広げることができます。
  • 9.消化器内科

    卒後10年目に博士を取得し、40代に京大MCRに入学した者です。日本の医学教育では、医療統計や疫学、研究倫理を系統的に学ぶ機会が極めて少ないため、医師の研究方法論に関する素養の欠如が指摘されています。将来大学教員として教育に従事する医師は勿論のこと、臨床医として日常診療におけるリサーチクエスチョンにもとづいた質の高い臨床研究行うことを目指す者にとって、短期間でもSPHのmaster課程を通して研究のmethodologyを学ぶ意義は非常に大きいと思います。
  • 10.循環器内科

    私が医師10年目にして改めてSPHで学ぼうと思った理由は、「自分が疑問に思うことを具体的に解決可能な形に組み立てる手法を身につけたかったから」です。SPHでは文献検索/評価法、臨床統計学、疫学、研究立案の実践など様々な事を学ぶことができます。これらは臨床医をしているだけでは身につかないことばかりです。
  • 11.総合診療科・消化器内科・緩和ケア

    ①多くの医師は、臨床疫学についての系統的な学習をする機会を医学部学生時代から臨床で働き、そして管理者になるまで、ほとんど持っていません。例えば、平均値と中央値の違いについてでさえ正しく扱えないまま臨床論文を出版社に投稿し、さらに査読者も誤用を指摘できないまま、医学論文が出版されています。そして、誤ったままの知識で学位を取得する医師が多数です。一方で、臨床研究は日々の診療の質を高めることにつながり、それは県民に直接的恩恵を還元できます。それを教育する組織そのものがSchool of Public Health(SPH)だと思います。

    ②我が国の大学院研究は、基礎研究がいまだ色濃く残っています。そこで取得したスキルをそのまま臨床現場で役立てることはなかなか困難です。一方でSPHで得られたスキルは、そのまま現場で実践可能です。修了者が増えれば、県民の医療の質の向上に大きく寄与します。

    ③わが国にはPhD(博士)を取得した医師はたくさんいますが、Master of Public Health(MPH)を取得した医師は少ないです。個人的な人間関係のなかでの話しですが、これまで一緒に仕事をしたMPHを取得した医師は、アメリカやカナダで取得してきた、臨床的に「デキル医師」ばかりでした。修士号取得の動機も強く、臨床も強い医師ばかりで、いわばあこがれの医師でした。そのような学習・学位取得システムが現在、国内に存在し、魅力的なSPHが増えています。京都大学ではその校風もあり、自由で興味あることを深められる組織でした。静岡でも京都大学の校風を継承して、伸び伸びとした学習機会が提供されると思います。人生100年で、90歳まで、ばりばり生活できる時代になれば、70歳になってからSPHで生涯学習をもう一度やり直したいくらい、魅力的な学習環境です。以上より、MPHのほうがPhDよりも光り輝いている学位、魅力的な学位と思います。

    ④医師がSPHで学ぶ意義、MPHを取得する意義ですが、PhD取得よりもMPH取得のほうが実践的と思います。PhD取得した医師は周囲に多数いますが、PhD取得後は臨床研究を継続する医師は残念ながら少ない傾向です。これは基礎医学研究や臨床に直結しない研究をしてきた結果です。しかしMPHを取得した医師は、臨床研究のノウハウを収めていますので、病院中にあまたある臨床研究ネタと臨床データを駆使して興味深い研究結果を出し、それを質の高い臨床活動に応用・実践できるスキルを有している点が、SPHで学ぶ意義と思います。
  • 12.総合診療・感染症

    臨床に従事している医師は、臨床の現場で”疑問に思っていること”を解決する手段をほとんど持ち合わせていない。また、その手法を学ぶ環境は日本では整っていない。実際に、SPHで臨床疑問を定式化し、研究という手法で解決していく経験をすると、臨床能力が格段に上がる。また論文も深く読み込むことができ、エビデンスの臨床への適応にも幅を広げることができる。より良い臨床医になる手段の一つとして、”SPHへの進学”は自信を持ってお勧めできる。
  • 13.産婦人科

    私は日本初の大学院大学で、Public Healthに触れました。そのお陰で複数の専門分野の研究者からなる研究グループを立ち上げ、研究活動を継続中です。激動の時代、医療システムの改善においても、MCRで学んだ経験は生かされます。リーダーシップが必要とされる医師には、非常に有益な研鑽の場です!
  • 14.小児科・行政

    当職は英国で公衆衛生関連修士を取得したが、当時は公衆衛生修士を日本で所得する機会が大変少なかったが、英国では、医師が本修士をすることはかなり浸透していた。取得後の自身のキャリアを考慮すると、医師が公衆衛生修士を取得する意義として、以下の三点が考えられる。

    1)現代の公衆衛生は「個別化」「多様化」の予防の時代に入っており、医療と公衆衛生の境界はなくなっている一方、医師が「公衆衛生側」の世界を学ぶ機会はかなり限られているため、多様化され、医療のそれぞれの専門領域に相対するような公衆衛生領域が広がる現在、また、膨大に医療費が膨れ上がりつつある現在、医師が予防についての考え方を体系的に身に着ける意義は大きい。
    2)公衆衛生は古典的には「集団」を対象にする学問を基礎としているため、個別的な「医療」の世界も公衆衛生学的技法を用いて研究や政策が策定されるようになった(たとえば臨床研究や診療ガイドラインなど)。このため、医師が公衆衛生の基礎学問(=疫学)技法を学ぶことは意義深い。
    3)個別化された医療においても、その国や地域、あるいは他国の政策、制度、文化からの影響を大きく受ける。これは新型コロナウイルス感染症の事例を見ても明らかである。このため、医師が、公衆衛生がとりあつかう社会的、巨視的な視野と知見を備える意義は大きい。
  • 15.呼吸器内科・腫瘍内科

    SPH就学を通じて、日常診療における様々な疑問の潜在に気づかされるだけでなく、疫学に基づく実践的な解決手法を取得することができます。研究的な視野視点が養成され、ひいては日々の診療力にも深みが増すことでしょう。